正直、タイヤに関しては走り方や求めるものによって違って来るので正解っての無いような気もするけど、初心者が完走する為に必要な事から考えると、大体以下の3点になると思う。
1.(漕ぎが)軽い事
2.パンクしない事
3.グリップが良い事
軽くすれば当然薄くなるので、パンクはしやすくなるし、漕ぎが軽いタイヤは走行抵抗が少ないってことだから、グリップに問題が出るのは当然。ということで、どこでバランスさせるかというのが選択のポイントかと思う。
初心者にとっては、パンクによるタイムロスは結構痛いので、迷った時は耐パンク性を重視するのが良いかもしれない。特に、リヤタイヤに多いサイドカットは、下手すると走行不能→リタイヤになってしまうので、ケアしておく事をお勧めする。
それから、UST対応のリムを使えるなら、タイヤシーラントを使ってチューブレスレディータイヤをチューブレス化しておこう。少しの穴なら塞いでくれるのでタイムロスの機会を減らしてくれる。
以下にこれまで俺が使用してきたタイヤとその感想を書いておくので、タイヤ選択の足しにして欲しい。ちなみにオススメ順になってたりする。
1.Schwalbe Nobby Nic
Front : 26 × 2.10 Evolution Line, TL Ready, 475g
Rear: 26 × 2.10 Evolution Line, Double Defense, 570g
軽さ◯
耐パンク◎
グリップ◎
価格△
日本ではやや入手しにくいSchwalbeだけど、プラスチックのような硬さと耐久性、走行抵抗の低さによる漕ぎの軽さは特筆ものだと思う。
Nobby Nicはオールマウンテン用のタイヤで、王滝に使われてるタイヤの中ではブロックが大きく、高いため、他のタイヤに比べると走行抵抗がやや大きいのが難点。舗装路で乗ると目眩がする程重くて遅い。但し重量は475g(26 × 2.10)とかなり軽量だ。
しかしグリップの高さは特筆もので、下りでブレーキをかけるとスリップせずに速度が落ちる。ブロックが引っかかる感じで下りのスピードも上がりにくいので、初心者にとってはこれを選択する大きな理由になると思う。レーサーのヒトは他のタイヤにした方が良いと思う。グリップは十分過ぎるくらい有るので、他のタイヤに比べてやや高め(32-35PSI)の空気圧にすると、走行抵抗を減らすのと同時にパンクリスクを低減する事が出来る(オススメ!)。それにブロックが高いので、実際に走ってみても、明らかにタイヤ本体への傷が少ない。
液漏れは僅か。これならチューブドでも問題無さそう。 |
王滝を走った後とは思えない程ダメージは少ない。 |
リヤタイヤも同じもので構わないかとも思うけど、サイドカットに耐性のあるDouble Defenseバージョンにしておくと更に安心だ。実際、サイドカットの跡はあったものの、見事に途中のスネークスキン層で止められていた。100g程重くなるけど、まあ、それでも軽量タイヤのうちだと思う。但し、日本では Double Defenseは(多分)買えない。Bike24なら全種類揃うけど、DHLは遅いので注意!
2.Maxxis Crossmark
Front/Rear : 26 × 2.10, 545g
軽さ◯
耐パンク◯
グリップ◯
価格◎
LUSTとかEXEとかのバージョンは重くなるので、ノーマルバージョンをチューブレスレディーで使用。ビードの形状がチューブレス向きではなかったけれど、使用には特に問題はなかった。ノブが低く、連続しているので、重量の割に漕ぎは軽いし、パンクにも耐性が有りそう。サイドも結構丈夫で、何カ所かサイドカットしかけていたけれども深刻な傷は無かった。グリップもNobby Nic程ではないが悪くはないし、国内で入手しやすいのも良いところだと思う。海外通販だとコンパウンドが違うのとか、TPIが多いのとかもあるので試してみるのも良いかもしれない。難点と言えば、既に設計が古い事くらいだろうか?
今だったらIKONを使った方が良いかも。軽いのに耐パンク仕様だし。
3.Schwalbe Racing Ralph
Front /Rear : 26 × 2.10 Evolution Line, Double Defense, 540g
軽さ◎
耐パンク◎
グリップ△
価格△
Nobby Nicよりも高速型のタイヤだけあって、MTBのタイヤとしてはかなりオンロードでも楽なタイヤだと思う。60PSIまで上げれば長距離ツーリングもラクチン。しかし、王滝の登りだとグリップが足りなくて時々滑るし、下りももちろん滑る。但し、速い事は速いし、滑り出しが解りやすいので、上手いヒトが使えば 結構使えるタイヤかもしれない。ブロックは小さめなので、根レース後半には元から削られてグリップが更に低下するので注意だ。
ノブが低いので穴だらけ。でもNotube液を入れておけば十分耐えた。 |
ノブの根元から削れるのでグリップは徐々に低下する |
4.Specialized Fast Trak
Front : 29 × 2.00 S-works 2blis
Rear : 29 × 2.00 Control 2blis
軽さ◎
耐パンク△
グリップ◯
価格◯
購入したマシンの標準装備だったのだが、このタイヤはハンパ無く速い。ロードノイズも低いし、走行抵抗もかなり低い。舗装路では気が付くと40km/hrを越えている。そのくせ王滝の登りでもグリップするし、下りはさすがにエアーボリュームが無い分乗り心地は落ちるものの、滑る事もそんなに無い。まあ、Nobby Nicのようなグリップではないけど。
ということで、Fast Trakは走りの面では 全く問題がないのだが、残念ながら耐パンク性に関して、29インチはケアされていない。アルマジロバージョンが手に入る26インチ車なら良かったのだが、29インチで出来るのは、せめてサイドが厚いControlバージョンにする事くらいだし、これもサイドが厚いというだけで、サイドカットに耐性が有る訳では無かった。一撃で沈没。
サイドカット一発!タイヤブートは使用しないでも何とかなったけど。 |